【夏祭り通信 Vol.01】初めて参加する方へ(上)
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 初回は、初めて夏祭り企画に参加する方のガイドになればいいなと思います。
【初参加の人にとっての夏祭り】
1)夏祭り企画って何ですか?
ライトノベル作法研究所が開設されて以来、お盆の期間を使って欠かすことなく開催されてきた、夏の一大イベントのことです。 この日のためだけにラ研に帰省してくるユーザーさんもおり、冬祭り企画と合わせて、ラ研の二大お祭り企画と呼ばれることがあります。
2)普段の鍛錬投稿室とどう違うのですか?
いくつかあります――
◇競作企画、というペンネームで統一して投稿すること ◇IP、点数が非表示になること(点数は夏祭り期間中に公開します) ◇お題に沿って小説を書くこと ◇枚数制限があること
これらはルールにも記載されており、あまり説明する必要はないでしょう。その他にも、最も重要な点としては――
◇最低でも五つぐらいは感想がもらえること ◇普段交流のない、意外な人から感想がもらえること ◇良い作品を書くと、ラ研での知名度が一気にアップ!
企画では、作品の全読破を目指す利用者さんが何人か出てきます。 そのため、感想を一つももらえないということには絶対にありません。むしろ、いつもより多くの感想をもらえるはずです。 また、普段、ほとんど接することのない作者さん、感想人さんと交流する良い機会にもなります。これを機にチャットなどで挨拶を交わし、親睦を深めていくという光景は毎年見られます。 さらに、ラ研の利用者さんからの注目度が高い企画でもありますので、良い作品を書いた作者さんは注目されがちです。
3)企画は敷居が高いイメージがあります……
今年の夏祭りは多くの人が自由に参加しやすい環境を整えてお待ちしています。 匿名のペンネームを使うため、ネームバリューに関係なく競争ができることを意識するのもありですし、初めて接する人との出会いを大切にするのもありです。 せっかくのお祭りなのですから、「金メダルを取りに行く」のもあり、「参加することに意義がある」というわけでどんどん賑やかすのもあり―― 皆さんも何かしらの目標を定めて、奮ってご参加ください。
今回は夏祭りとは何かについて書きましたが、次回は初参加者がしてしまいがちなミスについてお話できればと思います。
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【夏祭り通信 Vol.02】初めて参加する方へ(下)
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回も、初めて夏祭り企画に参加する方のガイドになればいいなと思います。
【初参加の人がしがちなミス】
1)作品を投稿したら感想も必ず書きましょう
鍛錬投稿室の「最重要要望事項」をご存じですか? それは――
「作品を投稿される方は、同室の他作品に感想を一つ以上書いてください」
というものです。夏祭り企画もこの規定に則っています。感想は必ず書くようにしましょう。よろしくお願いします。
2)パスワードをメモしましょう
夏祭り企画では、競作企画 という統一ペンネームを使い、期間後に任意でペンネームを公開することになります。 ところが、パスワードをきちんと覚えていないと、ペンネームの変更設定ができなくなります。 投稿する際に設定したパスワードはきちんとメモを取り、夏祭り終了後、自作品のページ最下部からパスワードを入力、「編集」をクリックし、ペンネームを公開するようにしましょう。 せっかく知り合えた人たちに名前を覚えてもらえないのは、ちょっとばかし切ないです。
3)原稿枚数の上限50枚について
例年、上限枚数に苦しめられる参加者さんがいます。 というのも、400字原稿用紙換算での50枚を目安に執筆すると、いざ投稿という時に「枚数オーバー」と表示され、投稿できないことがあるからです。 なぜそのようになるのかは、夏祭り企画の特設会場の「FAQ」にありますので、詳しく知りたい方は見てみてください。 おおよその目安としては、400字原稿用紙換算で約45枚を目処にするといいと思います。
4)小説の体裁について
最近、ケータイ小説が流行り、その影響か、ラ研でも一般的な小説の体裁を伴わない作品を見かけます。 小説の書き方はそれこそ自由ですから、細々と言っても仕方のないことではありますが、最低限のことは守った方がベターでしょう。 その最低限とは、当サイトの第二研究室「基本的な文章作法」の「文章の禁則」にありますのでご確認ください。
5)感想レスについて
感想レスとは、そのまま「感想へのレス」――、頂いた感想への返信のことです。 せっかく読んでくださった方がいるのなら、すぐにでも返信を書きたいところですが、夏祭り企画では期間中の返信を禁じています。 本来ならなるべく早くお返事するのが礼儀ですが、匿名で投稿をするという性質上、返信はペンネームをきちんと名乗ることができる祭り終了後にまとめてお返しをするというのが慣習となっています。 つまり、匿名で返信するよりは、名前を出せるようになってから返信をした方が礼儀にかなうというわけですね。
さて、今回はちょっとばかし細かいルールやマナーのようなことを書いてしまいました。 何だか修学旅行前に配られる『旅のしおり』の冒頭に書いてありそうな注意書きのようで、あまり楽しくはなかったかもしれません。ですが、夏祭りは初めて会う人たちの交流の場でもありますので、マナーはなるべく守るようにしましょう。
これにて初参加の人たちへのガイドは終了です。何か分らないこと、疑問に思ったことがありましたら、お気軽にご質問ください。 次回は、夏祭り企画に提出する作品が上手く書けない人に向けたアドバイスをお話できればと思います。
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【夏祭り通信 Vol.03】企画作品が上手く書けない(上)
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回は、「お題を使った作品が上手く書けない」という悩みを持った方へのアドバイスになればいいなと思います。
【お題の簡単な使い方】
執筆に制限がかかると、書けなくなる人がわりといます。 お題を作中に入れるだけなのに、どうにも難しく考えすぎてしまうのですね。
そこでお題をどうすれば利用できるか、あるいは効果的に使えるのか、といったことをお話させていただきます。
1)今、書いている作品にとりあえずぶちこむ
お勧めするのはどうかと思いますが、一番、手っとり早いやり方ではあります。 夏祭り企画用に書いたわけではないけれど、ほぼ完成している作品にお題の言葉を入れてみるわけです。 実際、今回のお題には使いやすい言葉が三つあります――「海」と「雪」、「どしゃぶり」ですね。 お題の使用条件は「作中に入れること」であり、「シーンとして使う」、あるいは「テーマとして使う」とまでは銘打っていません。 そのため、あるシーンの中に海をちょこっと配したり、雪をちらりと降らしたりすれば、あら不思議。あっという間にお題を使った作品が完成です(笑)。
ただし、この方法は作品の評価を落としがちなのでご注意ください。 というのも、お祭りの感想では、「お題を効果的に使っていたか」を評価の軸とする方がたくさんいます。 付け焼刃のようにお題を使っただけですと、あまり高くは評価されないというわけですね。 作品を出せないよりはいい――というときの最終奥義としてお考えください。
2)作品の構成要素別に考えてみる
今回のお題――、夏影、どしゃぶり、海、ぷりちー、雪、幽霊、をきわめて単純に分類すると次のように分かれます。
キャラクター:幽霊 舞台:海 背景:どしゃぶり、雪 比喩:夏影 不明:ぷりちー
お題の捉え方は人それぞれなので、意見は分かれるかと思いますが、とりあえず上記の分類を踏まえてみると、作品のパターンがいくつかできあがります。 つまり、単純に二つの言葉だけを使った場合の順列を考えれば――
@キャラ:幽霊、舞台:海 Aキャラ:幽霊、背景:どしゃぶり Bキャラ:幽霊、背景:雪 Cキャラ:幽霊、比喩:夏影 Dキャラ:幽霊、不明:ぷりちー E舞台:海、背景:どしゃぶり F舞台:海、背景:雪 ↓ I背景:どしゃぶり、背景:雪(どしゃぶりから雪へ) ↓ N比喩:夏影、不明:ぷりちー
となるわけですね。あとは@なら、なぜ幽霊が海にいるのか、あるいはAなら、なぜ幽霊がどしゃぶりの中に現れたのか、といったふうに作品世界の「5W1H」を考えてイメージを膨らませると、比較的簡単に作品を作るきっかけができると思います。
今回はお題を使った作品が上手く書けないとお悩みの方に向けたアドバイスをさせていただきました。次回は、上記でも少しだけふれましたが、お題の効果的な使い方についてお話できればと思います。
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【夏祭り通信 Vol.04】企画作品が上手く書けない(下)
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回は、お題をいかに効果的に使い、高い評価を狙っていくのかということをお話できればいいなと思います。
【お題の効果的な使い方】
前回も書きましたが、夏祭りなどの企画の感想では「お題をいかに上手く使ったか」を評価する人がわりと多くいます。 つまり、お題を上手く使う人こそが今年の夏を制するわけです。
では、お題を上手く使うとはどういうことを指すのでしょうか。
たとえば「海」について。 『ショーシャンクの空に』という映画を見たことはあるでしょうか。 スティーブン・キングの小説「刑務所のリタ・ヘイワーズ」(『ゴールデンボーイ』所収)を原作とした作品で、「身に覚えのない罪で投獄されたある銀行員が、内部組織まで腐敗しきった刑務所の中で、希望を持ち続けて生き抜く姿を描いたヒューマンドラマ」(ウィキペディアより転載)というストーリーです。
ここからはネタばれになりますので、作品をまだ見ていない人はちょっと注意してほしいのですが――映画のラストシーンを覚えていますでしょうか。
そうです――、「海」が描かれています。そして、船を用意している主人公が描かれています。カメラはどんどんロングになり、最後には海の全景が映し出されます。
新しい人生、その旅立ちの象徴。 つまり、脱獄した主人公にとって、第二の人生の船出を強く印象付けるシーンです。刑務所という陰湿で閉鎖的な場所との対比もあり、そのシーンの清々しさは見る者に強烈な印象を残します。 穏やかで、どこまでも広がる「海」は、主人公にとって新しい世界を表しています。
このように「海」をただの舞台として使うのではなく、キャラクターに内在するテーマと合致させたとき、その効果は何倍にも跳ね上がります。 海は他にも、メルヴィルの小説『白鯨』や映画『ジョーズ』のように「未知と危険」を表すものとして、あるいはヘミングウェイの『老人と海』のように「永遠に変わらないもの」としても使われたりもします。 みなさんも、もちろん「海」以外のお題でさまざまなテーマを見つけ、作品をレベルアップさせてください。
【お題のトリッキーな使い方】
実は、これについてはあまり具体的にお話しすることができません(笑)。 というのも、現在、ある種のトリッキーなお題の使い方で作品を書いているであろう作者さんたちから苦情のメールが寄せられること、必須だからです。
え? じゃあ、いったいどういうものなのさ――
という方は、ミステリのトリックを色々と調べるといいでしょう。 読者を騙すことにかけて、ミステリほど、その方法と効果を究めてきたジャンルは他にありません。 ある言葉がお題として使われるとき、読者は当然、そのお題がどこかしらに埋め込まれているのだと想像します。その想像力を欺くこと、そしてさらに読者を嵌めること――そこにお題のトリッキーな使い方の神髄があります。
次回からは、少しだけ閑話休題。 2005年度夏祭り企画において、『抜けない針』(高得点作品掲載所、短編部門)で優勝をした、だいきちさんに当時の思い出を伺おうと思います。
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【夏祭り通信 Vol.05】だいきちさんの思い出
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回は、2005年度夏祭り企画において、『抜けない針』(高得点作品掲載所、短編部門)で優勝をした、だいきちさんに当時の思い出を伺いました。
【夏祭り企画でいただいたもの】
作品のアイディアを練っていて、練りきれていないのに「まあこんなもんでいいや」と書き出そうとしたり、いったん書き上げると早く人に見せたくて、推敲が充分でないのに「ま、いっか」と投稿しようとしたりすることがある。 そんなとき決まって私の前に金太郎が現れる。そして馬鹿にするような口調で言うのだ。 「お前、その程度で俺に勝てるつもりか?」 そんな言われ方をされてそのまま先へは進めない。私は顔を真っ赤にしながら再度アイディアを練り直したり、推敲し直したりすることになる。
金太郎との出会いは三年前の夏祭り企画。 奴の登場する「金太郎の打ち上げ花火」を読んで、私は「やられた!」と思った。 面白いのだ。粋なアイディア、軽快な語り口がユーモラスな雰囲気を演出し、人情味あふれるストーリーは秀逸だった。これは自分には書けない、そう思った。それがくやしくてたまらなかった。 作者のほうきんさんはとても気さくで社交的な方だった。私たちは互いのサイトに訪れるようになり、相互リンクもさせていただいた。私のサイトのバナーもつくっていただいた(ちなみに絵を描いていただいたのは巴々佐奈さんである。なんとも豪華な顔ぶれによるバナーとなった)。
ほうきんさんとの友好的なお付き合いとは対照的に、金太郎は私の前に現れ挑発を続けた。現れるのは金太郎だけではない。他にもしゃべる冷蔵庫やちょっと浮いた女子高生など多士済々ではあったが、やはり同じ題材、同じ場所で競い合った奴の存在感は大きかった。
負けたくない、と思う。 奴らを黙らせる方法はただ一つ、いい作品を書くこと。少なくともその時点の自分ができる精一杯のものを。 点数とか順位などは一過性のものでしかない。それより作品で語られたもの、見せ付けられたものはずっと残ってなかなか消えない。そういう作品を書くにはどうしたらいいのかいつも悩む。たいしたことはできないが、「ま、いっか」を一つでも減らすようにしている。その積み重ねが私の作品を成長させてくれているのだと思う。 長く険しい執筆の道のりを歩き続けていられるのは、金太郎がそこにいて、ほうきんさんがまだ書き続けているからだ。そういう存在は何よりの宝であるし、そういう出会いをくれたあの夏の企画には大変感謝している。
どうもありがとうございます。そして……次を見てろよ!
というわけで、夏祭り企画の開催にあたりご依頼をいただきましたので、僭越ながら上の通り拙文を書かせていただきました。 皆様にもそれぞれの金太郎との幸福な出会いがあることをお祈りし、開催への祝辞と参加者様への激励に代えさせていただきたいと思います。頑張ってください。
だいきちさん、お忙しい中、ありがとうございました。 ちなみに、だいきちさんには「三年前のあの夏――ほうきんさんと戦い、熱い友情を培ったエピソード」というテーマでお願いしました。本稿の中に出てくる、ほうきんさんの『金太郎の打ち上げ花火』も同じく高得点を取り、高得点作品掲載所の短編部門にあります。 皆さんも、今夏、良きライバルに出会えるといいですね。
次回は、2006年度夏祭り企画において『嵐のち晴れ、ときどきアンドレ』で優勝をした、じゅんのすけさんにお話を伺おうと思います。
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【夏祭り通信 Vol.06】じゅんのすけさんの思い出
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回は、2006年度夏祭り企画において、『嵐のち晴れ、ときどきアンドレ』(高得点作品掲載所、中編部門)で優勝をした、じゅんのすけさんに当時の思い出を伺いました。
【夏祭り企画のエピソード】
今にして思えば、僕は壁にぶち当たっていたんだなぁ、と。その壁を乗り越えた先にも、もっともっと分厚くて高い壁があって、それを越えられずに今も四苦八苦している、というわけなんですけどね。
まあ、今直面している壁は置いておいて。
人にちょっと褒められていい気になって、自信をつけて、傑作と思って新人賞に送った作品が立て続けに一次選考で落ちたりしていた――当時の僕。 そんなことがあったので、新しく取り組んだ作品が駄作に思えて仕方なくなって執筆中断する始末。執筆を途中で諦めたのは何年ぶりですかねぇ。 という具合に、あまりいい時期じゃありませんでした。 ていうか、もうはっきりと燻ってました。 仕方なく別の長編を書き始めていたんですけど、これも駄作かもしれないし、ちゃんと完結させられるかわからないし、と不安でしたねぇ。
夏企画の話が立ち上がったのは、そんな折ですね。 よっしゃー! 祭りだ! なんて盛り上がりはそんなになくて、でも地味〜にやる気出してました。 自信喪失気味で、地に足のついてない作品を書いてしまっていたから、これはちょうどいい機会だと思ったんですね。短編を書く時間くらいはありましたし。 書くもの見失ってるなら、自分の好きなものを書くっきゃないじゃないですか。僕の好きなものは「燃え(萌えじゃないですよ)」なんだぜっ。だからそれを書くんだぜっ。と、割り切って勢い任せで書くことに決定したわけです。
しかしなんですね、自信喪失してるくせに妙に前向きでしたね、在りし日の僕。 企画のお題は「幽霊」でした。 最初はお題を捻ったり、ジャンルを工夫したり……なんてことも考えましたけどね、結局すぐ却下。 幽霊という単語から連想する切なげなストーリーもあっさり排除。 燃えが好き。だからそれを書く。計算も何もなくただそれだけで、話を考えました。
お題そのまま、主人公は幽霊。燃えを書きたいから題材はスポーツ。あとは登場人物たちを熱血させてやれば僕個人が好きな物語のできあがり、のはず。 そして書き始めると、筆が進む進む。 遅筆は僕の最大の悩みの一つなんですけどね、そのときは新記録が出ましたよ。 一日十枚書ければ上出来な僕が、一日で三十六枚も書いたんですから。 おかげで、スタートから二日目にして脱稿でした。この執筆速度は、以降さっぱり再現できません。ああ、あのころのスピードをもう一度味わいたい……。
とにかく、そんなこんなでできあがったのが「嵐のち晴れ、ときどきアンドレ」でした。
……なんだこのタイトル……。
どの辺が幽霊で、どこがスポーツなのか、さっぱりわかりません。 ただ、僕が優勝できたのは、このへんてこなタイトルのおかげであることは間違いないでしょう。 意味不明なタイトルのおかげで、読者が思いの外集まりました。結果、地道に得点を重ねることになり、運良く優勝ができたというわけです。
ちなみに、平均点で言えば、僕の作品よりも青々さんの作品の方が上でした。実際、とても面白い小説でしたよ。現在は高得点作品掲載所から削除されているのが残念ですね。 それから、たくさんの感想をいただいたために、後々感想をお返しするのに苦労しましたが、今となってはそれも良い思い出です。 お返し感想は義務ではありませんが、極力実行するのが僕としてはおすすめです。
作品を書き始めてから夏企画が終了するまでのおよそ一ヶ月間、かなり密度の高い創作月間だったと思います。 自分の好きなものを書き、それをある程度認めていただき、いろいろな人の作品を読んで勉強させてもらったイベントでした。 その後、執筆中の長編に復帰し、それも無事に完結させることができました。 夏企画に参加することで、少しは地に足をつけて執筆できるようになったかな、と思います。
イベントから得るものは人それぞれでしょうけど、作品を書くことも、他人の作品を読むことも感想を書くことも、すべて有意義なこととしてとらえることができたらいいですね。もちろん、いろいろな人から感想をいただくことも。 身になることがいっぱいですから、ぜひみなさん、夏企画に参加してみてはいかがでしょうか?
じゅんのすけさん、お忙しい中、ありがとうございました。 ちなみに、じゅんのすけさんには「熱く、濃く、それでいて喉越しさわやかで、ふと涙さえこぼしそうになる超絶エピソード」をお願いしました。無茶ぶりのしすぎですね(笑)。 ですが、皆さんもじゅんのすけさんの持つ葛藤には、とても共感できたのではないでしょうか。
次回はまた、元の流れにちょっとだけ戻り、これまでも夏祭りに何度か参加したことのある方に向けた、一風変わった企画の楽しみ方をお話しようと思います。
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【夏祭り通信 Vol.07】遊弟さんの思い出
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 本来でしたら、何度か企画に参加したことがある方に向けた記事の予定でしたが、今回は急遽、2007年度夏祭り企画の主催者を務めた、遊弟さんに当時の思い出を語っていただきました。
【今だからこそ語る――、祭り主催なんてやってられるか!】
…………もとい(笑)、
【今だからこそ語る――、祭りのあんなこと、こんなこと】
1)主催者を引き受けることになったきっかけ
前任のkuroさんが多忙で主催者を続けるのが困難だという話になって「それなら私がやりましょうか」と気でも狂ったのか言ってしまったのがそもそもの始まりです(笑)。 すでに祭りの形は出来上がっていて、kuroさんのお手伝いもしていたということもあって、祭りの音頭をとるのにそれほど苦労はありませんでした。
2)祭りをどう運営していこうとしたのか
kuroさんから引き継いだとき、多少祭りがマンネリ化してきているかなー、と感じていました。 最初の頃に感じた皆さんの熱気といいますか、そういうのがあまり見られない気がしまして。 なので、kuroさんが主催をしていたものの細かい部分を変えたりして、試行錯誤してみました。 その結果不評な祭り(?)もありましたが、それはそれで皆さんには楽しんでもらえたのではないかなー、と前向きに(笑)。
イベントは惰性で続くようになったら終わりだと考えていたので、どうにか波を起こそうとはしていました。 それが良かったのか悪かったのかは私にはわかりませんが(笑)、今後の祭りを行う主催者の方の参考になればいいです――よね?
3)新しい主催者の方へ一言
2008年の冬祭りで一線からは退かせていただきましたが、ラ研を利用している者の一人として、今回の祭りが賑わいを見せることを願っています。 私も微力ながら、作者か感想人として祭りに参加していきたいと思います。 それでは主催者の方々、頑張って私たちを先導してください(笑)。 長々と失礼しましたm(_ _)m
遊弟さん、お忙しい中、ありがとうございました。 ちなみに、勘違いされる方がいると、遊弟さんに迷惑をかけるので少しだけ――、一番最初の小見出しである「祭り主催なんてやってられるか!」というタイトルは、こちらがこのテーマでお願いしますと用意したものなので、遊弟さんの言葉ではありません。ご了承ください。 次回は、2006年度夏祭り企画において主催を務められたkuroさんにお話を伺おうと思います。
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【夏祭り通信 Vol.08】kuroさんの思い出
こんにちは。これから夏祭り企画が実施されるまで、不定期に掲載させていただきます。 今回は、2006年度夏祭り企画の主催者を務めた、kuroさんに当時の思い出を語っていただきました(原稿中の注記はこちらで記載したものです)。
【なんぞこら、夏祭りなんてもう嫌じゃ!】
もとい……、
【今だから語れる夏祭りのあんなことこんなこと】
あるいは……、 【主催をして知ったこと、考えたこと】
おはようございます。このたび夏祭り通信にてお話する機会をいただきました。 申し訳ありませんが、少しだけ皆様のお時間を頂戴いたします。
キッカケ
「ごめんなさい――ではじまり、ありがとう――でおわる」
この言葉からなにを連想されるでしょうか? 私は2005年春にライトノベル作法研究所で催されたGW企画のお題が思い浮かびます。 当時の私は小説を書いてみたいと思い始めた頃で、ネットで“書き方”を調べていました。その時にライトノベル作法研究所を見つけ、そしてGW企画の告知を目にしたのです。 企画概要を読み終えた時には“参加してみたい”という気持ちが芽生えていました。自分の作品を誰かに見てもらいたいという欲求を叶えるには絶好の機会だったからです。 もしかしたら「別に企画じゃなくても普通に鍛錬所(当時名称:お気軽投稿室)に投稿したら良いんじゃないの?」と思う方がいるかもしれません。しかし初心者かつ新参者の私にとっては「お題/締切り/匿名投稿」のあるGW企画はとても魅力的に映ったのです。 いえ、もっと単純にお祭りごとに惹かれたのです。
結果としては企画に参加することは出来ませんでした。 作品も間に合わず、何作か読むも感想は書けずじまいでした。 その後、お気軽投稿室に完成させたお題作品を投稿し感想をいただきました。既知の友人ではない大勢の人の目に触れる喜びを知りました。縁あってその時に感想をくれた方と交流をとり、ひとりまたひとりと輪が広がっていきました。 参加は出来ませんでしたが、GW企画があったからこそ作品を書き、それを読んでくれた人と出会え、そして今があるのだと感謝しています。
2006年春。交流掲示板で「GWや夏祭りのような企画を定期的にやったらどうか?」といった趣旨のスレッドが立ちました。 それを読んで私は強く反感を覚えました。なんて無責任な意見なんだろうと思いました(注記1)。 それとは逆に「いちユーザーである自分でもやれるのか?」という考えが浮びました。 ライトノベル作法研究所には大変お世話になっていましたし、感想への作者レスぶっちぎりとかしてユーザーさんに迷惑をかけていた後ろめたさもあり、なんらかの形で役に立てないかと思ったのです。 幸い前年のクリスマスにかざとさんが主催をされていたこと、小規模の企画もいくつか行われていたこともあり、概要を作りうっぴーさんに申請してみました。快い承諾をいただけました。
思いのほかの反響がありました。 祭りに期待をしてくださる方がいました。作品を投稿してくださる方がいました。感想をつけてくださる方がいました。有志で運営を手伝ってくださる方がいました。
そして2008年夏。四度目の夏祭りが行われます。 はからずともユーザーの手によって定期的に開催されるようになりました。 でも、これはずっと変わらず続くものではありません。次回の開催が約束されたものではないのです。だから、もし参加を迷ってる方がいらっしゃるのでしたら、せっかくの機会を棒に振るのは勿体無いですよ? 作品を介しての交流はチャットや掲示板とは趣が違います。さらに匿名投稿となれば尚更です。新規ユーザーもヘビーユーザー訳隔てなく作品を発表できる場所というのは早々ありませんから。 また、主催をやってみようかなぁと考えてる方がいらっしゃるのでしたら、是非チャレンジしてみませんか? 過去の通例にこだわる必要なんてありません。貴方のやりたい方法で祭りを演出してみてください。責任は伴いますが、きっと良い経験になると思いますよ。
それでは長々と拙い話にお付き合いいただきありがとうございました。 夏祭りが、皆様のなんらかのキッカケとなったなら良いなぁ。
注記1)当時は企画などを立ち上げる場合、うっぴーさんの手をなるべく煩わさず、独力で具体的に行えるだけの内容を提案しないものは単なる他人任せの空論だという雰囲気がありました。kuroさんの憤りはおそらく、その部分から由来します。
kuroさん、お忙しい中、ありがとうございました。 ちなみに、勘違いされる方がいると、kuroさんに迷惑をかけるので少しだけ――、一番最初の小見出しの三つは、こちらがこのテーマでお願いしますと用意したものなので、「なんぞこら、夏祭りなんてもう嫌じゃ!」というのはkuroさんの本意ではありません。ご了承ください。
なお、2007年度夏祭り企画優勝者の方は匿名のままお名前を明かさなかったため、それと2005年度夏祭り企画主催者のうっぴーさんはご多忙のため、原稿の執筆をお願いできませんでした。ご了承ください。
次回は最終回。夏祭りに何度か参加したことのある方に向けた「夏祭りの傾向と対策」をお話します。
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